奏でる愛唄
「唄ちゃんにフラれたぁ」
「あ〜うん」
何となく分かった
「俺もフラれた」
「やっと気付いた」
「何が」
新はぐちゃぐちゃな顔で笑い
「永久が唄ちゃん好きって皆気付いてるのに本人の永久は気付かないし」
少し馬鹿にしてきた
「けどフラれたし」
「告ったの?」
「いや……でも詩稀の所に向かって行ったし」
バチン!
乾いた音が響いたとたんに右頬に痛みが走った
「いっ……て」
「永久の馬鹿!!絶交してやる」
バタバタ走って逃げた
あいつ可愛い顔して思いっきりグーで殴りやがって