奏でる愛唄



「俺も……スッゴく唄のこと好き」


詩稀にぎゅうっと抱きしめられた


私も背中に手を回し抱きしめ返した



「ようやく手に入れた」


ふわっと笑って



どちらからでもなく自然と瞼を閉じ



キスをした




「唄にキスするのいつ以来かな」


「わかんない」



「変わってないや」



「何が?」


「唄のキスの味」



そんなことを言う詩稀を思わず笑った




これでいいんだ



だけどキスする一瞬永久の顔が浮かんだのは何故?






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