奏でる愛唄
本当にこいつは私達に興味がない
だから圭の病気のことも言わなかった
お金は私がバイトして貯めた
だから何も困らなかった
捨てたなら最後まで私達を見放してよ
「そういう中途半端な所がだいっ嫌い」
小さく言うとハァとあいつはため息をついた
「お前が俺を嫌うのも分かる。だが再婚相手に会ってくれてもいいだろう」
「いや」
「唄……」
それからあいつが何を話かけてきても私は全て無視した
しばらく走って着いたのは大きな一軒家だった