奏でる愛唄
「分かった」
驚いた顔をする詩稀とニッと笑う永久
「唄……?それは唄の負担に……」
「負担なんかじゃない。きちんと気持ちはっきりさせる」
1番中途半端にしていたのは
あのクソ親父じゃなく
私なのかもしれない
「唄……」
「詩稀……ごめんね。いつも迷惑かけて」
詩稀はそれ以上何も言わず立ち去った
「……行くか」
永久の言葉に頷いた
私は誰が好きなのか
私はクソ親父と暮らすべきなのか
私はこれからについて考えようと初めて思った