奏でる愛唄
「お前を取り戻したかった」
「……何で?あんたは私達を捨てたじゃん!」
今更、保護者ぶらないでよ
「彼らには何もしない。だから……戻って来て欲しい」
頭を下げるあいつ
どうしたらいいか分からない
「そんなこと言われても……」
「頼む!また家族になろう」
必死にお願いするあいつ
ふとさっきの男の子の顔が浮かんだ
私が家族に戻るとあの子が困るのでは?
「子供に迷惑かける訳には……」
「あの子はお前のこと大好きだから大丈夫だ」
決意が揺らいでしまう……