奏でる愛唄



「あれ遠川唄だよ」


「二股したんだろ?」


「詩稀と永久が可哀相」



街行く人が私を見てひそひそ話す


だけど全て詩稀と永久を批判するものではなかった



これで良かったんだ



意外と家は近く歩いて30分程度だった



インターホンを押すと



「唄ちゃ〜ん」


亜由ちゃんに抱き着かれた


「帰って来ないかと思った」


「ごめんなさい」


亜由ちゃんは涙でぐちゃぐちゃな顔で笑った






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