奏でる愛唄
「永久……痛い」
「お前はそれでいいのかよ?」
「父親と暮らすことがそんなにいけないの?」
一瞬暗い表情をしたがすぐに私を強い眼差しで見つめた
「一度お前と弟を捨てた奴だぞ?」
「あいつ再婚するの。それで1からやり直したいって」
「………勝手にしろ」
永久は私から離れ自分の部屋に閉じこもった
「亜由ちゃん……ほんとごめん」
「いいの。だけど何かあったらここに来なさい。
永久も唄ちゃんが心配であんなこと言ってるだけだから」
何も言えず一礼だけした