奏でる愛唄
「詩稀はどうした?」
「詩稀は……終わった」
終わった?
あれだけ好きだったハズなのに?
唄が俺を好きと言ってくれるのはいいが詩稀の存在が気になる
「気が付いたの。詩稀は確かに好きだったけど“恋愛感情”じゃない」
唄は俺の腰辺りにまわす腕に力を入れた
「憧れみたいなものだって……
永久に出会って初めてこれが恋なんだ……これが好きって気持ちなんだって分かった」
耳が赤くなっているのが目に入った