奏でる愛唄
Song5
「座れ」
何も言わず私はおとなしく座った
「百々中……唄菜を知っているか?」
も……もなか唄菜?
「唄菜という名前には聞き覚えあるだろう」
唄菜とは母親の名前
母親は私達が幼い頃
圭と同じ病気により他界した
父親は他に女を作り私達を邪魔扱いして追い出した最低な奴
父親のことを思い出しイライラとし始めた時
コホンと社長の咳ばらいで現実に戻ってきた