奏でる愛唄
詩稀は唄が好き
唄は好きじゃないと相手に言いながら実は好きだったんだ
「……んだよそれ」
急に胸に鉛のようなものが入ったように重くなった
何で好きなのに嘘ついてんだよ
何で泣くくらいなら好きって言えねぇんだよ
何で俺はこんなにもショックを受けてんだよ
意味がわからない
俺は静かに電話を切った
「と〜わ〜起きろ……って珍しい」
俺の家に新と冬哉がやって来た
「僕達が起こしに来る前に起きてるなんて珍しいこともあるんだね」
「熱……あるのか?」
「ねぇよ!馬鹿」