枯レタ愛ハ声ト共ニ*非公開ノV系恋愛
出会
箱
いつかの11月23日。
『準備できた!?』
あたしたち2人は
高校終わりに駅のトイレで着替えとメイクをしていた。
「できた!」
小さな声でみうに返事をした。
トイレのドアを開けて、みうに買ったばかりの服を披露。
みうは目を見張った。
『弥生、細すぎじゃん!?何食べたら・・・いや食べなかったらそんなに細くなんの!?』
にんまりとしながら
少しだけ肩の出た服を鏡でチェックしなおした。
『あ、時間!!早く行こう!!』
いそいそと片付けをし、駅のホームへと向かった。
目の前を小走りで行くみうは、
某ブランドの背中まで大きく開いたとっぷすに
豹のミニスカートだった。
10センチ以上はあるであろうブーツを履いて走る姿に、
脚をくじかないかひやひやしていたのを覚えている。
『間に合った!!良かった~、弥生が遅いからだよ、ほんとにぃ・・・』
呼吸を整えながら、電車に乗り込んだ。
ほぼ駆け込み乗車に近い・・・。
「ごめんー;」
『まあいいけどねー(^ω^)』
どっちだよ笑
そう思いながら、若干崩れた髪を手直す。
ライブって、どんなんなんだろう。
みうが言うには、V系らしいけど。
V系にいいイメージがないあたしは少し不安だった。
やくざが演奏してるようなもんじゃん。
そう思っていた。
の、わりには張り切って準備した。
『弥生、着いたよ!!』
みうに引っ張られるがままに、電車を降りた。