こんな娘で、ごめんね。
Prologue
暑い真夏の夜。



一匹の蝶に出逢った。


飛び立とうともせず、蜜柑の苗木に、そっと止まっていた蝶は、あたしに、その大きな羽を広げてみせた。



漆黒の闇に似ているブラックとブルー。そして、わずかなイエロー。




ぼんやりと浮かぶ月明かりの下で、蝶は、華麗に舞う。


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