こんな娘で、ごめんね。
あたしは、もう言葉を返す気力もなかった。



先生は、あたしのされていることをずっと見ていた。


前から、教室であたしの物がなくなったりしていることも知っていた。



学校に登校してきた時に
[沢村の墓]と赤ペンで殴り書きされた画用紙と、


空き瓶にささった、たんぽぽの花。割り箸をクロスさせ、輪ゴムをくくりつけた十字架が、あたしの机の上に飾られていた。



そんな光景も先生は、見ている。



なのに。



怪訝そうな顔をして
『ウチのクラスには、イジメはない』と、はっきり言い放った。




R子ちゃんの言葉。
先生の態度。


あたしの心は、ズタズタに切り裂かれた。





「先生なんか大嫌い」




あたしは、先生を睨みつけると、昇降口へと走り出した。



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