こんな娘で、ごめんね。
あたしは、家には寄り付かなくなると、夜の街で知り合った友達の家を転々とし始めた。



明菜と24時間営業してる、コインランドリーに行き、夜が明けるのを待ったり、野宿したり。



暴走族の集会の時は、けたたましいバイク音が、胸を躍らせ、20数台で、国道を一斉に走る時は、気分がスカッとした。



明菜とは、夜な夜な遊び回り、警察に補導されたり、追いかけ回されたりした。



中学生のあたしには、明菜といる世界や夜のネオンは、たまらなく魅力的だったのだ。



昼間の世界は、あたしには窮屈で、息苦しくて、生きているのが辛くても、


夜の闇は、優しかった。



居心地よくて、昼間の世界に傷ついた羽を癒してくれた。



そして、


夜の世界に逃げたあたしの周りには、あたしみたいに心に傷を負い、寂しがり屋の仲間が、集まった。



あたしは、
もうひとりじゃなかった。


愛情や友情。親との確執。

幼心のあたし達は、愛されたいと願い、愛に飢えていた心同士、群れを作り、傷を舐めあった。


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