こんな娘で、ごめんね。
『お前は、こんなもんに憧れてるのか！』



学校では、問題児扱いになっていたあたしは、登校すると、必ず、生徒指導室に呼び出され、担任に叱られた。



その日は、カバンの中に入っていた、タバコとヤンキー雑誌を見つけられ、あたしは、担任から睨みつけられた。



『沢村。お前は、どうして、いつもそうなんだ？ 今のお前は、なんなんだ？ こんな者になりたいのか！？』



雑誌を勢いよく、テーブルに投げつけて、担任は怒鳴った。



｢あたしが、どうなろうと、あたしの勝手だろ｣



『沢村、お前！！ わかるか？ 今のお前の姿に親は、泣いてるぞ？ 親に迷惑かけて、悪いと思わないのか？ 学校の皆に心配かけて悪いと思わないのか？』



｢別に。


あたしは、誰にも心配してくれなんて頼んでねーし、親にも悪いなんて思ってねーし。つか、雑誌、返してよ。出たばっかで、先輩のバイク乗ってんだからさ｣



あたしが、ふて腐れながら言うと担任は、あたしを睨みつけた。



『昔のお前は、そうじゃなかっただろ？ 何があったんだ？』



｢は？


つうか、昔のあたしの何を知ってんだよ。第一、話したところで、なんになんの？ お前らは、何があっても助けてくんねーんだよ。あたしは、大人なんか信用してねーんだよ。

どけよ！｣




あたしは、生徒指導室のイスを足で蹴ると、担任は、あたしの襟首を掴んだ。



｢殴りたけりゃ殴れよ！｣



あたしの言葉に『沢村！ いい加減にしろ』と、担任は、低い声でいうと、パッと手を離した。




『次、お前が何かしたら、容赦しないからな』




担任は、吐き捨てるように言った。



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