こんな娘で、ごめんね。
彼とのデートは、
カラオケ付きのラブホテルだった。



『エッチもカラオケもできて、好都合じゃん?』



そう言って笑う、彼の腕に手を回して、駅裏にあるラブホテル街を歩く。




RAINという看板を見つけると、彼は、あたしの肩を抱いて中へと入って行った。




ラブホテルは、彼と行ったのが初めてだった。





モニターにうつった部屋の写真の前で、部屋番号を押す。そして、入口にある小さな窓からキーが渡され、それを持って、エレベーターに乗った。





部屋に入るまでに、他のお客さんと会いそうになったら、恥ずかしくて、すかさず身を隠し、顔を合わせないようにするのも、なんだかスリルがあって楽しかった。



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