こんな娘で、ごめんね。

午後7時。父が帰ってくる。靴箱の上に、車のキーを置き、安全靴を脱ぎ、廊下を歩く。




今日は、機嫌が悪い。
危険日。気をつけよう。


今日は、機嫌がいい。
大丈夫。



耳をたて、微かなその足音の違いに、その日の父親の心情を感じ取る。




その日の父の気分を察知して、あたしは、態度を変え、気を配る。




これが、あたしの日課だった。



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