こんな娘で、ごめんね。
『ん……いや、その』


しどろもどろに答える彼に、あたしは怒鳴りつけた。


「はっきり答えろよ! どういう事だって聞いてんだよ。信じてたのに!!」




『……ごめん』





あたしは、
彼に背を向けると、玄関のドアをバタンと閉めた。





ごめんじゃないよ。
ごめんで、済む話じゃないよ。




あんなに好きだったのに。



あんなに愛し合ったのに。



信じてたのに……。




そう思うと悲しくて、
悔しくなった。




許さない。



最低。最低な男!





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