Bautiful World ー真心を君にー







「・・・・、やだ・・・」




気付いたら走り出していた。




走って走って、背中の痛みを振り払うように。





気付いたら大きい橋の中心にいた。




ポツポツ、ポツ。



大粒の雨が降ってくる。




出雲の涙を振り払うように。





雨は徐々に強くなっていき、川の流れもどんどん強くなっていく。




出雲は橋の手すりを乗り越え、川に飛び込もうする。




「出雲!何処に行って・・・て危ないじゃないですか?!」




「そうじろー・・・」




声のする方向へ振り返ろうとする。
しかし、バランスを崩し、足が宙に浮く。




「出雲!!」




「あ・・・」




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