Bautiful World ー真心を君にー
力の差は歴然としていた。
男たちがどうしてそんなに自分に自信を持って私を襲ってきたのか不思議なくらい。
少年はおびえながら襲ってくる浪士たちに対し、舞うように剣技を披露し、次々と浪士たちを地面に伏せさせた。
浪士たちは自分たちの竹刀を持って「覚えてろ!」と負け犬のように吠えて逃げて行った。
私の視線は不思議な少年へと戻された。
「あ・・・、ありがとうございました。」
「別に、礼を言われるようなことはしてませんから。それから、一人じゃなにもできないくせにそんな高価は着物を着て出歩かないほうが身のためだと思いますよ。」
つっけんどんな言い方をして少年は竹刀を担いで元来た道へと歩いていく。
なぜか名残惜しくなり、今思うと自分は幼いなぁ、と思うような行動をしていた。
「あ、どこいくの?」
少年は怪訝な顔をして振り返り、そして愛想なく「道場ですけど。」といってまた歩いて行こうと回れ右をする。
「待って、一緒に行く!」
「は?」