Bautiful World ー真心を君にー
「じゃあ、袴を渡すから、隣の部屋で着替えてこれるかい?」
近藤の優しげな問いに私は元気よく頷き、袴を受け取り道場を出て行った。
これでもかと言うほど素早く着替えて、道場に戻る。
道場に入った途端、恐ろしい程痛い視線を感じた。
「……近藤さん。なんでいるんですか、こいつ。」
そうじろーが私を指差して言った。
「駄目なのか?」
近藤が首を傾げる。
そうじろーは眉間に皺を寄せる。
「こいつじゃない。出雲ってゆーの。ね、そうじろー!剣道教えて!」
そう言ってわたしはそうじろーの裾を掴む。
そうじろーはもっと深く眉間に皺を寄せる。
「私は、塾頭じゃありませんから。」
そう言ってそうじろーは私の手を振り払う。
「あれ?でも…」
違和感が付きまとう。
「昨日、塾頭って言ってた。」
途端にそうじろーの顔が赤くなる。
「そうなのか?惣次郎。」
「な、そ、それは!脅しですから!しかも近い未来は塾頭ですから!」