Bautiful World ー真心を君にー
もう数十日前の記憶を思い出す。
「・・・・か、おり・・ちゃん?」
「もう、違うわ!お凛っていうてんやろ?雇われてんねん。ほら、見てみ。うちの着物、あげるわ。心配せんで。あんま着てへんし、そないに汚れとるワケやない。」
そういって手に抱えていた風呂敷を空音に渡す。
「ほおら。着替え?ずっと同じな服は嫌やろ?」
「う、うん・・・」
あわてて空音は風呂敷をあける。
空音はふと思う。
・・人と関わるのは、久々だ。
「・・・あ、」
風呂敷をあけて気が付いた。
この着物は、私が気に入っていた着物だ。
お凛さんを見る。
嬉しそうに微笑んでいた。
そして声を潜めていった。
「助けにきたで。さっさと着替えて、ここからでるんやで。」
空音は泣きそうになりながらもたくさんうなずいた。
「・・・き、綺麗な着物、ありがとう・・・」
お凛は笑った。
「そーやろ?お気に入りやねん。」