Bautiful World ー真心を君にー
「ごめん香織。お前らを雇った俺が馬鹿だった。」
「な?!なんやてぇ!そんじゃあまるで自分がうちのこと雇っても無駄みたいな言い方してるやん!」
高杉は頭を抱え込み、うなだれた。
「何でこんなん雇ったんだろ・・・俺の馬鹿。」
「あぁ!?もう一回言うてみ?しばいたるでハゲ!馬鹿杉!」
「もういいでしょ、香織。雇い主に失礼だよ。すいませんでした。馬鹿杉さん。」
「おいお前の方が失礼だろ言い直せ、薫。さり気なく言っても無駄だぞ。」
天井裏から降ってきた人(二人目)にも苛立ちを募らせた高杉は当初の目的を思い出し、二人へと向き直る。
「おい、知らねえか?さっきお前らに渡しといた甘味。」
「し、知らないよ。かすてぃらでしょ。甘くて美味しかった」
「誰が甘味の感想言えっつったよ」
「い、いふゃいいひゃ!のひるれすぅぅ!」
「のひる?伸びるの間違いじゃねぇのか?あ?」
高杉が買っておいたであろう甘味は薫の胃袋に収まっていまい、高杉はただただ薫の両頬を伸ばすことで怒りをぶちまけた。
「ちょ、さっきからずっとしきりに口動かして甘い匂いもしてなんやとかおもうとったら薫やったんかいな!うちまで悪い印象もたれたやん!ボケ!」
香織は香織で、地味に薫の脛をしきりに蹴っている。
地味に痛そうだ。