Bautiful World ー真心を君にー
ゆっくりと、しっかりとした足取りで二人組の隣を通り抜けようとする。
少しの興味本位ですぐとなりの人の顔を覗き込んだ。
「・・・!!!」
驚いたことに相手も此方を見ていて、酷く驚いた顔をしていた。
相手の顔はどこかで見たことのある、懐かしい顔で・・・でも思い出せない。
しかしいつまでもこうしているわけにもいかず、早歩き気味で止まっていた歩をまた進ませる。
ガシッ
しかし右腕を何かが掴み、それを阻止する。
「え・・・」
「出雲!!」
「え、何やってんの総司!」
もう一人の男が掴んでいた右腕を放した隙に小走りで走り出す。
「出雲!放してください!出雲がいたんです!」
「何言ってんの総司!出雲はもう・・・」
出雲。
その名を聞くと何故か背中の古傷が疼く。
あの人たちは・・・誰?