Bautiful World ー真心を君にー




ゆっくりと、しっかりとした足取りで二人組の隣を通り抜けようとする。


少しの興味本位ですぐとなりの人の顔を覗き込んだ。



「・・・!!!」



驚いたことに相手も此方を見ていて、酷く驚いた顔をしていた。




相手の顔はどこかで見たことのある、懐かしい顔で・・・でも思い出せない。
しかしいつまでもこうしているわけにもいかず、早歩き気味で止まっていた歩をまた進ませる。



ガシッ



しかし右腕を何かが掴み、それを阻止する。


「え・・・」



「出雲!!」


「え、何やってんの総司!」


もう一人の男が掴んでいた右腕を放した隙に小走りで走り出す。





「出雲!放してください!出雲がいたんです!」

「何言ってんの総司!出雲はもう・・・」






出雲。

その名を聞くと何故か背中の古傷が疼く。





あの人たちは・・・誰?






< 36 / 165 >

この作品をシェア

pagetop