Bautiful World ー真心を君にー
「これは島原に売ったら高くなりそうだなぁ。おい。」
背筋の悪寒から身の危険を感じ、思わず後ずさる。
「おい、おい。そんなにこわがんなよ。たかが冗談じゃあないか。」
男性は自分の無精ひげを触り、困った表情をする。
しかし、男性に掴まれた右腕からは、冗談と思われないほどの握力が加わっている。
逃げたら握りつぶすとでも言わんかのくらいに。
ガキン!
突然金属音が木霊する。何事かと思えば、男性の背後に誰かがクナイで切りかかっている。
それを男性が防いでいる。
「おい、おい。無遠慮じゃないかい。人の背後に気配消して切りかからないでくれるかい?」
「あんたこそ弱いもの苛めはどうかと思うけど?」