Bautiful World ー真心を君にー



「そうカッカすんなよ。たかがお遊びだ。楽しもうや。」


「こっちはそうは行かないの。いいからその子、返してくれないかな?」


ゆったりとした口調で話してはいるが、強い殺気でより恐ろしいものとなっていた。



「仕方ないなぁ。今日は勘弁してあげるよ、俺は大人だからね。じゃあね、坊や。」




男性は溜め息を残して音もなく消えた。



寄りどころをなくした右腕は寂しそうに力無くうなだれた。



空音は右腕から助けてくれた人へと視線を移す。


こういう場合は一応礼を言っておくのが人としてすべきだろう。

そう思った空音はゆっくりと口を開いた。



「あ、あの」

「勘違いしないでよね。」

「へ・・・?」



< 40 / 165 >

この作品をシェア

pagetop