Bautiful World ー真心を君にー
「そうカッカすんなよ。たかがお遊びだ。楽しもうや。」
「こっちはそうは行かないの。いいからその子、返してくれないかな?」
ゆったりとした口調で話してはいるが、強い殺気でより恐ろしいものとなっていた。
「仕方ないなぁ。今日は勘弁してあげるよ、俺は大人だからね。じゃあね、坊や。」
男性は溜め息を残して音もなく消えた。
寄りどころをなくした右腕は寂しそうに力無くうなだれた。
空音は右腕から助けてくれた人へと視線を移す。
こういう場合は一応礼を言っておくのが人としてすべきだろう。
そう思った空音はゆっくりと口を開いた。
「あ、あの」
「勘違いしないでよね。」
「へ・・・?」