Bautiful World ー真心を君にー
「別に助ける気があって助けたわけじゃない。ただ任務をこなしただけ。」
「え、あの」
そういえばこの子の顔・・どこかで見たことある・・・。
14歳くらいの顔立ちに、少しだけ高い身長。
「もしかして僕のこと覚えてないの?薫だよ。今日顔合わせたじゃん。もう忘れたの?」
「え?!」
ようやく記憶の欠片が集まった。
あれ、でもおかしい。薫くんはもっとなんていうか・・・のんびりとした感じの子かと思ってたんだけど・・・
「おかしいって思った?そうだよね、だって猫被ってるもん。」
「は・・・?」
「猫被ってるの。そんで君は、僕の猫被ったとこしか見てないからそんなんになってるんだよね?」
「え・・・うん、まぁ。」
でも、何故?猫をかぶっているのなら、何故わざわざ私の前で猫をかぶってないのか?そして何故猫をかぶるのか?喉まで出てきた疑問を、飲み込んで耐える。
「何故折角猫を被っているのなら、君の前で猫を被らないのか?だって、君が嫌いだから。」
「え?」
心の声を実際声に出した覚えはない。しかもなんで今日会ったばかりなのに・・・