Bautiful World ー真心を君にー
「じゃあ、しばらくの運動は避けてくださいね。絶対安静が必要ですからね。」
そういって念に念を押して医者は帰って行った。
「・・・さて。小五郎。どこでこの子を?」
治療が終わり、静かに寝息をたてて寝ている少女を見て、吉田松陰は言った。
「川に流れていたんですよ。急いで引き上げました。」
「そうですか・・・。では、この子は小五郎が責任を持って面倒を見るのですよ。」
そういって松蔭は優しげな笑みを浮かべ、懐から脇差を取り出した。
「・・・これは、この子のものでしょう。大事に懐に入れてありました。・・・これも、必ずこの子へと渡すのも小五郎。あなたの役目ですよ。」
「・・・はい!!」
何故私がこの少女の所持品を預かる必要があるのか。
意味もわからずに脇差を受け取った。