Bautiful World ー真心を君にー
スパン!
襖を開いた途端、緊迫した空気が一気に下がる。
「・・・お、女子?しかも寝てる・・・」
先ほどまで部屋を出ていこうとした男が、気の抜けた声を上げる。
月の光を顔に受けて、ゆっくりと押入れの人物が目を開く。
「・・・ん、あれ?なんでこんなに人が・・・」
ゆっくりと体を起こし、目をこする。
そして瞬時に状況を理解し、襖をあけた男を押しのけて近くで倒れている吉田へと駆け寄る。
女子の着物が血に染まっていく。
「・・・栄太郎さん?え、栄太郎さん?なんで・・・」
涙を流して声を上げる女子を見た途端、女子を敵と判断し部屋はまた一気に緊迫した空気が広がる。
「総司・・・お前後ろで下がってなさい。」
「大丈夫です。まだ動けますから。」
「沖田組長!ここは任せてください。」
ピクリと、女子が反応する。
「お、きた・・・?」
ゆっくりと涙で頬をぬらした顔が、こちらを向く。