Bautiful World ー真心を君にー





ゆっくりと崩れ落ちていく空音を横目に、土方が呟く。



「コイツ、つれて帰るぞ。」



「えー?副長らしくないなぁ。いつもならすぐ斬れゆーんに。」



つい先ほどまで、ちいさいけれど殺気を放っていた男が、陽気にちゃかす。



「るせぇ。後から色々使えそうなんだよ。」



「えげつなー。拷問でもするん?」



「山崎、一旦黙れ。いい加減うざい。」



「こわい。こわい。あんま睨まんといてやー」



山崎と呼ばれた男は、肩をすくめると音もなくその場から消えた。






< 71 / 165 >

この作品をシェア

pagetop