Bautiful World ー真心を君にー
・副長室・
「ふくちょー、藤堂です。」
「入れ」
「失礼します」
怒られる覚悟をし、ゆっくりと襖を開く。
「座れ。」
顎で示された座布団に腰を下ろす。
「…で。あいつの様子は?」
「…っへ?」
間抜けな声が出る。
怒られるんじゃないのか。そういえば怒られる心当たりがない。
「あの長州の娘だ。なんか情報があったか?」
「あ、それか…。そういえば寝言で『惣次郎』と呟きましたよ。ほかにも出雲という単語にも強い興味を示しました。」
「……はぁ?」
今度は土方が気の抜けた声を出す。
「や、本当です。」
「どういうことだ…?」