Bautiful World ー真心を君にー
なんであるのか分からない。
桂先生に拾ってもらったときには治りかけの傷が開いたものと説明された。
なんで傷ができたかもわからない。
「質問を変える。その背中の傷は、何処でこしらえてきた?」
「・・・傷があるって知っているんですね。」
「こちらが質問している。」
そんなの、思い出そうとしても無駄だ。
思い出せない。
「・・・私の傷は、」
「土方さーん。巡察の報告に来ましたー!」
空音の言葉は、部屋に入ってきた沖田の言葉でさえぎられる。
「・・・お前、少しは空気読め。」
土方は額を押さえてため息をつく。
「だって早く済ませておかないと後から忘れちゃいますもん。」