左目のマスカット味
「あれーっ、おらんなぁ…」
「えっ、ま、まじでっ…」
今、1-Eの教室のドアに身を潜めてます。
息が荒いあたしを気にもせず、辺りをキョロキョロする吏彩。
―――30秒前。
一旦あたしと吏彩は教室に戻って
お弁当を携帯に持ち替えてダッシュで教室を出た。
しかし、ランはE組。
あたしらのクラスはA組。
元陸上部で短距離走者の吏彩に、吹奏楽部のあたしがついていける訳もなく。
そして、今に至る。
すると…
「あ、吏彩ちゃん!」
「おぉ由結~(^0^)/」
1-Dのアイドル 朝田 由結(あさだ ゆゆ)ちゃんがあたしたちに気付いて近づいてきた。
吏彩と同じ中学校の、成績NO.1の可愛い女の子。
…いや、ぶりっことも言う。
そんな由結ちゃんはあたしを見て驚いた表情をした。
「あれ、アメミちゃんもいたの?」
小さすぎて気付かなかった、と冗談交じりで付け足す由結ちゃん。
あたしの148cmというチビな身長
かなり、気にしてるのに…
てか!!!
あたし、アメミじゃなくてウミ(雨美)なんですけど!!(`ω´)