左目のマスカット味


「あれーっ、おらんなぁ…」

「えっ、ま、まじでっ…」


今、1-Eの教室のドアに身を潜めてます。

息が荒いあたしを気にもせず、辺りをキョロキョロする吏彩。





―――30秒前。

一旦あたしと吏彩は教室に戻って
お弁当を携帯に持ち替えてダッシュで教室を出た。


しかし、ランはE組。
あたしらのクラスはA組。

元陸上部で短距離走者の吏彩に、吹奏楽部のあたしがついていける訳もなく。






そして、今に至る。

すると…

「あ、吏彩ちゃん!」

「おぉ由結~(^0^)/」

1-Dのアイドル 朝田 由結(あさだ ゆゆ)ちゃんがあたしたちに気付いて近づいてきた。

吏彩と同じ中学校の、成績NO.1の可愛い女の子。

…いや、ぶりっことも言う。

そんな由結ちゃんはあたしを見て驚いた表情をした。

「あれ、アメミちゃんもいたの?」


小さすぎて気付かなかった、と冗談交じりで付け足す由結ちゃん。

あたしの148cmというチビな身長
かなり、気にしてるのに…




てか!!!
あたし、アメミじゃなくてウミ(雨美)なんですけど!!(`ω´)






< 10 / 44 >

この作品をシェア

pagetop