左目のマスカット味
「ぅひゃっ」
「ぅひゃっ、ってサルかお前は」
…なんとなくだけど、
この声の主は、また茶髪くんだと思う。
そして、頭にのっかってるなにかは肘(腕)だと思う。
結城くんの後ろにいた、あの…
「ち、茶髪くん…」
「え?」
「ぉあっ、間違えたっ」
「まあ俺、茶髪やけど…」
うん、優しいお方でよかった。
「…、なあ!」
いきなり 後ろの茶髪くんが大きな声を発した。
あたしは肩をびくんとさせた。
「ぅあっ!!」
「おっ…と」
その衝撃でか、茶髪くんは腕を降ろした。
びっくりしすぎ、と笑いながら茶髪くんはあたしの前に立つ。