左目のマスカット味



「ぅひゃっ」


「ぅひゃっ、ってサルかお前は」


…なんとなくだけど、
この声の主は、また茶髪くんだと思う。

そして、頭にのっかってるなにかは肘(腕)だと思う。

結城くんの後ろにいた、あの…


「ち、茶髪くん…」


「え?」


「ぉあっ、間違えたっ」


「まあ俺、茶髪やけど…」



うん、優しいお方でよかった。






「…、なあ!」

いきなり 後ろの茶髪くんが大きな声を発した。


あたしは肩をびくんとさせた。

「ぅあっ!!」

「おっ…と」

その衝撃でか、茶髪くんは腕を降ろした。

びっくりしすぎ、と笑いながら茶髪くんはあたしの前に立つ。









< 14 / 44 >

この作品をシェア

pagetop