左目のマスカット味
家に帰ると 部屋には悠がいた。
「おかえり!」
「ただいまっ」
悠がニコニコしてて、なんだかホッとした。
机に荷物を置いた。
「…どこ行ってたん?」
「心斎橋に買い物行ってたー」
「もしかしてあの男と?」
「ちゃうちゃう、吏彩とー」
部屋着に着替えるため、悠の目を気にせず 服を脱ぎながら質問に答えていく。
「…俺 目いいの知ってる?」
「? うん」
「だから、机にあるお前の携帯も見えるねん」
「うん」
悠は、立ち上がったのか、ギシッという音が聞こえた。
「だからな いま誰から電話きてるかも分かるねん。」
「…え……っ!!」
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