左目のマスカット味
屋上につくと、
古びた緑のベンチに座った。
そのまま寝ころび、空を見る。
そして、天使と話す。
んでもって寝る。
屋上にきたら、いっつもこれ。
あたしは小さい頃から天使が見える&話せる能力をもっている。
龍とかもたまに見えたり。
ふと足元を見ると、天使が落としてった羽根がある。
幼い頃はそれが普通だと思っとった。
小3のころ、幼なじみの早希子と遊んでるとき。
「なあなあ、あっこの天使可愛くない??」
そう言って、大きな木(にもたれかかってる天使)を指差すあたし。
笑顔のあたしと裏腹に、無表情な早希子は
「天使とかきもいねんお前」
と言い放って、あたしを殴り倒した。
それから なにかあるごとに
「あの事バラすよ?」
と 脅されては、言うとおりにした。
…1人になるのが嫌だったから。
だけど中学生のとき、一度だけ反発した。
…もう、友情とか面倒なってん。
すると本当にあたしの噂を流した。
みんなそれを信じ、みんなが気持ち悪いと感じた。
(何故か、早希子以外の幼馴染みには回らなかったけど。)
中学は、ひたすら地味でいた(笑)
だけど この高校の人は、秘密を知らない。
友達の吏彩も、彼氏の悠(とおい)も。
だから、隠し通してみせる。