左目のマスカット味



ばあちゃんも天使が見えたらしく、時間的に生まれ変わりだと言われてもおかしくはない。

てか、生まれ変わりな気ぃする。

誰かに言われたわけちゃうけど…そう感じた。


じいちゃんに聞いてん。

ばあちゃんとあたしの共通点が多すぎるって。


誕生日も。血液型も。干支も。
好きな野菜も。嫌いな果物も。
得意な科目も。好きなタイプも。

全て同じだった。






なんであたしは天使とか龍とか羽根が見えんの?


なんであたしは時々、左目の色が変わんの?


なんでお兄ちゃんはいつも瞳が黒なん?


なんであたしは色白で、お兄ちゃんは色白じゃないん?




気になって、仕方なかった。


それが原因でほぼ毎日、早希子に殴られとったから。

ボロボロで帰って来たあたしに、じいちゃんや優大兄は質問攻めをする。
それを得意な嘘の笑顔で誤魔化しつづけた。


いつしかそれが、最大のコンプレックスになってたから。







だけど、そんなあたしには 幼なじみがいる。

内田早希子(うちだ さきこ)高1
結城ラン(ゆうき らん)高1
比嘉花美(ひか はなび)中3
真山悠(まやま とおい)中3
あたし、の5人。


その内の1人、悠が彼氏だったりする。


悠は昔からあたしがダメなら殴るのが当たり前。

だけど、悠の笑顔が見れたら、そんなことも耐えられる気がして。

大好きだよ、悠…。












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