キミと恋の途中
帰り道
ザワザワザワザワ
「帰るぞー。」
「おう・・・。」
やばい・・・。気持ち悪い。
腹いてぇ。
「どーした?顔色悪くねぇ?」
「いや・・・なんでもない。」
俺は腹の痛さをひたすら我慢しながらいつもの家路を歩いた。
「んじゃー。また明日な。」
「おう。」
陸斗の後姿を見届ける。
いつもなら最後まで一緒に帰ってたよな。
引っ越す前だけど。
母さんが信汰さんと再婚してからマンションへ引っ越した。
学校から遠い。30分も歩くのがだりぃ。
しかも.....腹いてっぇー
ウィーン
はぁ・・・やっと着いた
チャックから鍵を取り出す
ガチャ
えっと・・・エレベーターどこだっけ?
引越したのは今年の1月。まだまだ住み慣れていないからよくわかんねぇ。
「あの・・・・」
後ろから小さい声が聞こえた。
「誰?」
あっ・・・。間違えた。
何?って言おうとしたのに。
「隣の部屋に住んでる加藤麻衣です。」
ペコッと女が頭を下げた。
加藤麻衣・・・・。
隣の住人ぐらい覚えたほうがいいよな。
「・・・・もしかして、迷ってますか?」
「あっ・・・はい。」
素直に答えた。
やっぱり~。と小さい声だがハッキリ聞こえた。
「もしよかったら一緒に帰りませんか?あたしも丁度家に戻るところですから。」
「お願いします・・・・。」
今は頼ったようがいいのかもしれない。