キミと恋の途中
「おっせー。」
「あっそ。」
席に着くなり、チャイムが鳴った。
ガラッ
「出席とるぞ~。」
いつものように越智の声が響く。
5月か。
はぇーな。
気がついたら、クラスはみんな落ち着きつつあった。
「先生、おもしろいもの見た!」
は・・・・?
いきなり越智がペラペラ語り始めた。
「なんとっ新堂君が遅刻ギリギリで自転車すっとばしてきて・・・。先生は危うくひかれるところだった。」
越智が泣きまねをする。
ワッハッハッハ
ドッと笑いが起こった。
笑えねー。
隣の陸斗がまたクスクスと笑いを押し殺している
俺は越智を睨んだ。
「いやー。新堂君がヒドい人だとは思わなかったよ~。」
コイツ・・・。おもしろがってやがる(怒)
俺はさらにキツく睨んだ。
「あららー。怖いなぁ~。はい罰ゲーム決定。放課後居残り掃除な♪」
「は?」
キーンコーンカーンコーン
反論を許さないようなチャイムが鳴り響いた。
ガラッ
足早に越智が出て行く。
行かせてたまるか。俺は走り始めた。