キミと恋の途中
自習――――――。
なるほどな...
「センコーも自習だって忘れてるから、監督も来ねぇの。」
周りもゲラゲラ笑っている。
「ふーん。」
運、良かったのかもな。
「新堂くん・・・?」
「何?」
腕に大きな教科書を抱えた子が俺の前に立った。
「あの・・。古典教えてくれないかな?」
「いいよ。座って・・・」
陸斗の席に座らせた。
空いてたから。気を使った陸斗が席を空けた。
「どこがわからない?」
顔をのぞきこんだ。
「あの・・・そのっもう全般っていうか////」
「じゃあ置いていかれないように授業の復習しようか。」
俺・・・・誰に教えてるんだろ?
ふと名札を見た。
『由梨谷』か・・・。
「他にもわからないとこある?」
「ううんっありがとう///」
由梨谷は首を横に振った。
今度お礼させてね・・・と言うとそのまま友達のところへ帰っていった。
「優ー!」
「ん?」
「由梨谷と何話した!?」
興味津々と顔にかいてある陸斗。わかりやすいヤツだな。
「勉強教えてって言われたから教えた。」
「他には・・?」
「ない。」
「つまんねーの。」
「あっそ。」
俺に勉強教えてくれー。とか言うのチャレンジャーだな。
普段、関わりのない俺に。
俺は由梨谷の背中を見つめた。