見えもしない空
プロローグ
僕には外の世界がどんなものなのか。
赤、青、黄といったいろがどんなものなのか。
そもそも色って何なのか。
何もわからない。
自分の顔さえわからないまま
病室で1人孤独に生活してるだけ。
17年間生きてきてわかってるのは
この病気は決して治らないことと自分の名前
それと〝人の死〟だけ。
自分は何のために生きているのか
何のために生まれてきたのか。
毎日、毎日同じ事を考えながら
見えもしない空を見てる