君と学校で
「はぁ、はぁ。」

教室から校庭までひたすら走ってきたから疲れた。
とりあえずベンチで一休みしようかな。

ベンチへと向かう、とそこで人影が見えた。なにやらコソコソしてる。

「だれ?」

知らない子だけど優しそうな雰囲気の子だから声をかけてしまった、

見ると、制服姿で名札の色が2年生だから2つ年下の子だった。

「なんだうちの制服じゃん、怪しい人かと思った」

「あ…あの、えっと」

「どうしたの?」

近くによる、よく見たらその女の子は凄く美人で大人っぽかった。

「し、失礼しました!」

「え?ちょっと」

声をかけたけど、聞こえてなかったらしい

その子は凄いスピードで走っていき
あまり見えないけど友達らしき男の人たちのところへ遠ざかっていった。


おーい、それ、さっきの私と同じパターンだよ。


それにしても…あの男の人たちは誰なんだろう?
制服着てないからうちの学校の生徒じゃないよね。


そう思っていたら風音がフェンスを乗り越えて入ってきた。

「志音!大丈夫!?」

「大丈夫って何が?ていうか、いまフェンス乗り越えてきたよね?」

「そんな事より、さっき志音知らない子と話してなかった?」

「あの子?ハンド部のコート内をぶらぶらしてたから声かけただけだよ。」

「志音、なんで女子に対する人見知りはないんだ」

「あ、本当だ」

そういえばそうだ、私は女子の人見知りはないんだ。
おかしいな、なんで男子とは話せないんだろう。

「「志音先輩、風音先輩。おはようございます」」

2年生のハンド部員の子2人が私と風音にあいさつをした。

「ちょうどいいじゃん、さっきの子のこと聞いたら」

「?なんですか」

「あのね、さっきすっごく大人っぽくて美人な女の子見たんだけど、髪型がポニーテールの子」

「「…………」」

2人同時に黙り込む。2人とも困惑な表情をしていた。

「どうしたの?」

「その子は、たぶん鈴木樹里です」

「へぇ。どんな子?」

「うちの部員です」

「「えぇ」」

風音と同時に声をあげる、知らなかった。

「色々、事情があるんです」

「何の?」

「実は……」

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