君と学校で
昼休み、それは皆の自由時間。


校庭で遊ぶのもよし。

本を読むのもよし。

ただ、世間話をするのもよし。


ほかのクラスからは、なにやら、楽しそうな声が聞こえてきます。


私のクラスはなにやら…。
ただならぬ空気が出ています。


「この安立友哉!!!!」

「なんだようるせぇな」

「なにその態度は授業邪魔しておいて、皆やる気出始めてたんだよ!それをお前が邪魔したせいでぇぇぇ」

風音はなぜか怒っていた

たぶん、4時間目のことを言っているんだと思うけど。


そこまで怒る必要がないんじゃないかな


「おいおいまだ怒ってんの?忘れちゃおうぜそんなもん、もう終わった事だろ」

「むかつく、なんかむかつくんだよぉぉ」

「なんかお前、個人的なものになってねぇか?八つ当たりはやめてくれよな」

怒り狂っている風音に友哉さんは冷静に対応する

さすがだ!すごい。


友哉さんの言うとおり、風音は高橋先生の事もあり、友哉さんに八つ当たりしてるのかもしれない。


そしたらなんか申し訳ない気持ちになってきた。

風音をほうっておいて友哉さんが私に話しかける。

(ねぇ、あの人大丈夫?)

(えーっと、大丈夫だと思いますけど)

(別に敬語じゃなくてもいいよ)

(え?…えっと)


戸惑う私に友哉さんが言う。

(俺がいやなんだよ、普通にはなしてくれたほうがうれしい)

(あ、じゃあ…分かった)

(ちょっと頼みごとがあるんだけど、海斗が4時間目からずっと自転車置き場で俺のこと待ってんだよね、悪いけど志音さん今の現状伝えにいってくれない?)

(え?なんで私?)

(俺が今教室出るとあいつ怒るだろ)

そう言って風音を指差す友哉さん、あぁ、そう言う事か。

(分かった、行って来る)

私は教室を出て、自転車置き場へと向かった。



それを見届けた友哉

「ちゃんとチャンスつくってやったんだから感謝しろよ、月の王子様」


と、得意気に笑っていた

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