君と学校で

現実から目を背ける

「よーし皆、部活頑張るぞー」

「おーーーー」×部員一同

高橋先生の約束の話をしたとたん、部員全員のやる気が上がり、ハンド部は今はどこの部活よりも活気のある部活になっていた。

「皆頑張るねぇ」

「風音もやろうよ」

風音はベンチに寝転んで皆が一生懸命やってる様子を見ている。
なんてだらしのない副部長なんだ。

「そういうお前もやれ」

「いやいや、私は風音と違ってサボってんじゃなくて支持をだしてるの」

「じゃあいいよ、私やるから支持するの好きだし」

「それは、副部長の仕事じゃないの、部長の仕事なの、だから…」

「だから?」

だから、部長である私がやらなくちゃいけない仕事なの

って言いたかったけど途中でわからなくなってしまった。

私って、本当に部長?

だって、部長らしいこと何もしてないし、盛り上げるのだっていっつも風音だし、私って、胸張って「部長です」って言える立場なのかな。

「志音?どうしたの?」

風音が心配そうにこっちを見てることに気ずく。

ダメだ!またネガティブになってる。

「ううん、なんでもない」

思わず目をそむける。

そのそむけた先(フェンスの向こう側)には.......。


鈴木樹里とその仲間達(この前見たヤンキー集団)がいた。


私って、運悪。


じゃない!!あわわわわわわわわわ。どうしよう!
って、大丈夫か。フェンスの向こう側だし。

それにしても樹里ちゃん、なんであんな人たちとつるんでいるんだろう
確かに、お兄ちゃんがヤンキーっていうのもあるんだと思うけど。


でも、決めるのは自分だし。


樹里ちゃんを見てみる、周りのヤンキーたちは楽しそうに笑っている、でも。


その中で、樹里ちゃんだけは、とっても悲しそうな顔をしていた。


「え?」

思わず、声を上げてしまうほどだった。

私は部活が終わるまで、ずっと樹里ちゃんから目が離せないでいた。
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