君と学校で
「よう!お前ら試合どうだった?」

私達を見つけた友哉さんが声をかけてきた、もちろん隣には海斗さんもいる。

その質問にたいし風音は満面の笑みで答える。

「もちろん勝ちましたーーーー!」

「おぉ!よかったな」

「志音、あれはミラクルだった」

風音は笑顔で私を見る。

そう、私はシュートで左下をねらった、だけどそれはキーパーに読まれていた。


だけど…。


もうだめだって思ったけど。

なぜかボールはネットの中に。


…手が滑って右下に投げていた。



「あの時の高橋の顔、思い出すだけで笑えてくるね!!」

「すごく、悔しそうな顔してたね」

また思い出し、二人で笑う。

「そういえば、お前ら、高橋先生となんか約束してたんだっけ?」

友哉さんがあきれたように聞く。

「なんだよ、その呆れ顔は!?こっちにとっては真剣な約束だってのに」

「なんか高橋先生に同情してしまう」

「なにぃ!友哉、お前高橋の見方なのか、それともうちの見方なのか!」

「別に、見方とか敵とか、関係ねぇし、俺野球部だし」

「私かあいつか、どっちをとるの?」

「やめろよ、その言い方!気持ち悪ぃな!!」

「べ、別にそうゆう意味で言ったわけじゃねーーーー!」


風音と友哉さんの会話、聞いてるだけで面白い、全然飽きないな。

この二人って本当よく合う、なんで風音は友哉さんが気に入らないんだろ?

もしや、照れ隠し?

そうだよね、風音けっこうツンデレだから、風音はやっぱり友哉さんが好きで、ああやってきつく言うのはただの照れ隠し。

うん、絶対そうだ。


やっぱり、私って天才!


「なに、1人で笑ってんの?」

「え!?」

やばい!うれしくて、いつのまにか笑っていた所を海斗さんに見られていたなんて。

「…変ですよね」

「別に、変じゃないけど、てか俺は……」

「志音!もうそろそろ帰ろ」

風音に強く腕をつかまれ凄い勢いで引っ張られる私、何をそんなに急いでいるんだろう?



俺は、の続きはなんだったんだろ。



走り去ってく志音と風音を見届けた友哉は海斗に向かって聞く。

「俺は、何?」

「……。」

海斗は何も答えなかった。


< 30 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop