君と学校で
「あらぁ?水城さんと伊藤さんじゃない」

教室に戻る途中で、高橋先生と出会った。

「あれ?高橋先生じゃないですかおはようございます」

ん?風音、今日は妙に冷静。

「おはよう、ちょうどいいタイミングねぇあなたたちに会いたかったのぉ」

「先生、何がちょうどいいタイミングですか?ここ、先生いつも通りませんよね?あきらかに待ち伏せですよね?嘘つく必要ないですよ、それともあれですか、あなたストーカーなんですか?キモいですよ」

違った!冷静なのは始めだけだった!

「いやね~。あなたたちのストーカーなんてヘドが出るほどやりたくないわぁ」

先生、そんな言葉使ってもいいんでしょうか。

「あれ?先生、そんな言葉使ってもいいんですかねえ?嘘をついたうえに、暴言を吐くとは…教師失格ですね」

風音…さすがに先生もその言葉は傷つくよ…。

ところが先生さっきとは変わらない平然とした態度で、首をかしげて言った。

「何のことぉ?」

「は?」

「私がいつ嘘をついたのぉ?」

「おーい、頭大丈夫ですか先生、先生の頭みて。ふっさふさじゃないですかーー!」

そう、練習試合で私達は勝った、先生は坊主にする事を約束した。

しかし、先生の髪は見てのとおり、ふっさふさ。

「それが、どうしたのぉ?」

「約束忘れたんかボケェーー!もう1週間たってるんだよ!」

風音、暴言はいてるうえに敬語忘れてますよ。

「もうすこしまってよぉ、そしたらあなたたち皆私の髪の毛なんて忘れてるんだからぁ」
 
「何いってんの?バカ?」

風音、敬語……まあいっか。

「私が髪を切る前に何か起こるかも知れないしぃ」


起こるって、何が?


「何のことですか…」

風音も分からないらしい。


「まぁこっちの話よふふっ」


高橋先生は私達に手を振り、去っていった。

「........なんか、あやしい」

高橋先生を見送りながら、風音はつぶやいた。

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