君と学校で
「先生、どうゆう事ですか?」

職員室には私達と先生しかいない。そのせいか私の言葉はやけに大きく響く。

「実は昨日ねぇ、体育館裏でぇあるひとがぁタバコ吸っちゃってたのぉ」

「タバコ?」

嫌な予感がした、もしかして、吸ってたのって…。

「鈴木樹里よぉ」

……やっぱり。

そこで風音が声を上げる。

「ちょっと待ってください!なんでそれだけで私達が県大会いけないんですか!?」

「樹里ちゃんが…うちの部員だから?ですよね、先生」

「そう、さすが部長さんねぇ、察しがいいわぁ」

風音は樹里ちゃんが部員だった事を忘れていたらしい、「そうだった」と小さな声を漏らしていた。

「来てないとはいえ一応部員は部員、しかも部活中に吸ってたんだから注意しなかったみんなにも責任はあるわよねぇ」


先生は顧問の癖にとてもうれしそうな顔をしている

昨日言ってたのはこの事だったのか、と私は理解する。

風音がそんな先生を見てキレる。


「…このクソ教師!」

「あらぁ伊藤さん、なんで私に怒るのぉ?悪いのは私じゃないでしょ?」

「う…」

風音は反論できない。

そう、確かに高橋先生ムカつくけど、今回問題を起こしたのは…。


「鈴木さん、怒りをぶつけるのは私じゃなくて、鈴木さんでしょぉ」

その通りだった。

「「………」」

私も風音も、何も言えない。

そんな2人を見て、先生は満足したかのように


「さあさあ、もう一時間目始まってるわぁ。早く行かないとぉ。ごめんねぇ時間とらせちゃって」


私達を言葉で無理やり職員室から追い出す。


私達は出て行くしかなかった。
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