君と学校で
「なんですか」

樹里ちゃんはこっちをにらんでくる。怖い。

だけど、私も負けていられない。


「この前の話の続き」

「関係ないって言い言いましたよね」

「私には関係あるの、樹里ちゃんはうちの部員なんだから」

「…」

樹里ちゃんは言い返せないのか、黙って俯く。

「この間、やっぱり泣いてたよね?」

「泣いてません」

「嘘つかないで、私ちゃんと見てるよ、いっつも悲しい顔してた」

樹里ちゃんはうつむいたままだった。

「私…心配で…」

「なんで先輩に心配されなきゃいけないんですか!?」


さっきまでとは裏腹に、樹里ちゃんは急
に声を上げる。


「私聞きました「部長は意外な人だった、一番部長の器じゃない人が選ばれた」って、それ先輩の事ですよね?」


やっぱり、そんな事言われてたんだ。


「どうせ部長らしい事なんて全然やれてないんじゃないですか」


うっ…。あってるかも。

「そんな弱い先輩に、心配なんかされたくありません!」

やばい、涙でてきそう。

「それは違う」

そこで、いままでずっと黙っていた風音が急に口を開いた。

「それは違う、あんたが思ってるほど志音は弱くないんだよ。てかあんたよりは絶対強い事は確実」

「なんで…ですか」

樹里ちゃんはいままで以上に風音をにらむ。
よく見るとその目は少し赤く、潤んでいる。

泣いている?

しかし、風音は話続ける。

「あんた、小学生の頃いじめられていたらしいじゃない?
周りから拒絶されてた、だから中学生になった自分から拒絶するように兄さんと同じ道進んだんでしょ?」

え、そうだったの?

知らなかった。

風音、嫌い嫌いといっておきながら、ちゃんと樹里ちゃんの事調べてくれてたんだ。

< 41 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop