君と学校で
それから少し時間がたち

1時間目、授業中。

くそ、高橋め。余計な事言いやがって……


授業の邪魔にならない程度に海斗に話しかける。


(海斗、あのさ…さっきの事は気にすんな )

(いや、別に気にしてねーよ)

(気にしてねーの?)

(あぁ、いちいちそんなの根に持ってたら拉致あかねーだろ?)

(お前、そういうところは器用なんだな)

なんで自分のことになると不器用になるんだ?

と、友哉は疑問に思う。

窓側の席を見てみると志音さんが真剣に授業を受けていた。

………偉いなぁ。

とのんきにそんな事を思いながら見ていると後ろの席に座ってる風音が目に入った。

風音はなにやら浮かない顔をしてため息をついていた。

何を落ち込んでるのか知らねーが、弱気の風音は俺は好きじゃないからどうでもいい。

でも、一応海斗に聞いてみるとするか。

(なぁ海斗ー)

(何?)

(風音の事どう思う?)

(はぁ?)


やっぱりそういう反応か。


(ほら覚えてるか?お前ら昔色々あっただろ?)

(あぁ。今でもはっきり覚えてるよ)

(あれ?そういう事は忘れねーんだな)

(当たり前だ)

(ふった女は忘れるくせに)

(…………)

あれ?怒った?

海斗は少し黙って、口を開いた。

(風音は覚えてるんだ、だったら俺が忘れるわけにはいかないだろ?)

優しーーー!

だか、風音にコクられたらふるんだろ?

ひどい男だなぁ~。

風音はなんでこんな男を好きになったんだか。


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