君と学校で
『話がある』って言われて屋上に呼び出されたら誰だって期待するよな?

まぁ、俺は相談話ってわかってたけど……。


ちょっと期待もするよな。


相談話とみせかけて……………。

実は『告白』でした。

みたいな。


でも人生そんな上手くいかないよな。


実際、こんなふうに志音さんは気持ちよさそうに空をあおいでいる。

俺、一応女子から人気あるのに。

俺に見向きもしねぇや。


好きな人とかいんのかな?

「なぁお前……」

「ん?」

「好きな人は?」

「え!?」

さっきまで空を見ていた志音さんだが急な問いかけに思わずこっちをみる。

「いねぇの?」

「い、いない……」

「一生つくらない?」

「それはない!」

「じゃあいつか彼氏はつくるつもりなんだ」

「うん……」

「んで好きな人は?」

「いない」

「ときめいたときは?」

「ない…」

「……………」

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